CONTEMPORARY HAWAIIAN MUSIC FILE
Nightwing
Nightwing Nightwing 2 Thru The Year

夏向きの取って置きのAOR BAND『NIGHTWING』をピックアップ。まずは簡単にプロフィールを紹介しましょう。1985年NIGHTWINGのメンバー、TIMMY PAJIMOLA、 MIKE SAFFERTY、 VAN PETERSONらはローカルなクラブでライブを中心に地道な活動をしていた。そんな中、MONTEREY BAY CANNERSでのLIVE を聴いたプロデューサーDAVE KELLYが彼らにレコーディングを勧める。その後レコーディング・スタジオでエンジニアのDAVE TUCCIARONEと出会い、ファーストアルバムのアレンジを委ねる事になる。その後、4人目のメンバーとなるTODD ADAMSKIと出会いギターリストとして迎える。(当時TODD ADAMSKIはJONNY KAMAIとデュオ“BROTHERS RIZE”と呼ばれるグループで活動していたようで、こちらは後にDONOVAN EGLORIAを加えトリオとなる。)こうしてNIGHTWINGは、1987年にこのファースト・アルバムを発表。そして翌年88年、HAWAIIのグラミー賞と称される“Na Hoku Hanohano Award"にて、“Most Promising Artists"を受賞。一躍スターダムに駆け上がる事になる。大半の曲はTIMMY PAJIMOLAもしくはTODD ADAMSKIとの共作となるもの。また3人のLEAD VOCALを擁するのも大きな特徴。NIGHTWINGを端的に表現するとしたら、KALAPANA + CECILIO & KAPONO + ALIISって感じやね。 アルバムを聴いて鳥肌が立ったって言うのも久々のこと...とにかく駄曲が1曲も無いって言うのも久々...幕開けの@<Iisland Holiday>はHENRY CAPONOを彷彿とさせるヴォーカル・スタイル、しかし彼ほど暑苦しくなく、さらりとした感触は実に爽快。続くMIKE SAFFERYのヴォーカルを配したA<All I Just Wanted Was You>は彼らの代表曲であり、MIKEの甘く切ないヴォーカルも魅力的。TODD ADAMSKIのギター・ソロもごっつうええ感じ。C<If That's The Way That You Want It>は、唯一のカバー曲、嬉し恥ずかしDENNIS LAMBERT & BRIAN POTTERの名ソング・ライティング・チームによるもの。どう?よだれものでっしゃろ、旦那ッ!VAN PETERSONのH<Fly Away>、TIMMY PAJIMOLAのI<Heart In The Isles>あたりのミディアム&スローはHAWAIIのビーチで聴きたいLove Song...明らかにKALAPANAやCECILIO & KAPONO のフォロワーとなるグループですが、彼らほど洗練されすぎずISLAND SPILITSを漂よわせつつ、適度なアーバン・テイストを感じさせてくれます。昨年の夏(97)はLAMURIAが話題となりましたが、今年はNIGTHWINGで決まり!とにかく1曲めからラストの10曲めまで爽快極まりない仕上がりと断言してしまいましょう。

幸運なスタートを切ったNIGHTWINGですが、その後は順調とは言えず、メンバーのMIKE SAFFERYが脱退、ソロの道を歩む事に...続いてVAN PETERSONが脱退。それに入れ替わるようにTODDと一緒に活動していたDONOVAN EGLORIAを正式にメンバーとして迎える。しかしアルバムをリリースするには至らず。TODDはグループを離れSHELDON KATAYAMA、DONOVAN EGLORIAとR&B BAND、“EXIT 8”で活動。NIGHTWINGは解散状態となってしまう。

しかし1991年、NIGHTWINGはMIKE SAFFERYを中心にしてGEORGE PICHAY(dr)、LAMURIAや元KALAPANAで有名なKIRK THOMPSON(key)によって一時的にコンピレーション盤で復活、<Peace By Peace>を発表。またこのアルバムには、元NIGHTWINGのTIMMY PAJIMOLAの<This Old World>、同じくDONOVAN EGLORIAの<Crystal Blue Persuasion>が仲良く収録されています。

1992年、NIGHTWINGは前途のコンピ盤がきっかけとなり、一時的に再編成されたが、それとは異なるメンバーで再結成される。今度は元オリジナル・メンバーのTIMMYが中心となりANELA KAHIAMOE、REGGIE TANAKA、JOHN KAHAKALAUらによって結成され、週末JOHN DOMINIS RESTRANTでライブ活動をスタートする。(当時、TIMMYはTODDとDONOVANを加えたトリオ“Deja Vu”でも活動、二つのグループで活動していた。)1996年NIGHTWINGはTIMMYの息子TRAVIS、GERRITE FERNADEZの2人を加え、8年ぶりに『NIGHTWINGU』を発表。正式メンバーは、TIMMY PAJIMOLA(Rhy.G)、DONOVAN EGLORIA(B)、ANELA KAHIAMOE(L.G)、REGGIE TANAKA(Per)、TRAVIS PAJIMOLA(L.G)、GERRIT FERNANDEZ(Dr)の6名。 こうして復活したNIGHTWINGU。ジャケは1stと同様、EMILY TURNBILLが手がけた幻想的なイラスト。結構インパクトありまっせ! 復活となったこのアルバムも充分にNIGHTWINGの魅力を楽しめる力作となってます。オリジナルメンバーだったTODD、MIKE、VANの姿は無いけれどTIMMYのKAPONOライクなヴォーカルは健在。また1stアルバムとの違いはSAXが配されている点。その分アーバンティックな色合いが濃くなっています。1stがDay Cruse向けとするなら、2ndはNight Cruse向けといった所か?。オープニングの@<Is It Love>から軽快な幕開け。続くAはウェスト・コースト風味の味付けのミディアム・スロー。JACKSON BROWNEらの世界と言えそう。一変して、いかにもHAWAIIらしいトラディションなC<Aloha Wau La Oe>や、E<Part Of Me>、G<Simply Jesse>あたりのスロー・バラード3曲は特筆すべきもの。オーシャン・ビューのバルコニーから紅のサンダウンを眺めながらトロピカル・カクテルを傾けたい気分にさせてくれます。

そして最後に『THRU THE YEARS』をご紹介。97年に発表されたアルバムは単なるBEST盤ではなくNIGHTWINGとそれを取り巻く仲間達の歴史を一つに纏めたものです。構成は過去2枚のオリジナル・アルバム(1stから3曲、2ndから4曲)前出のBrothers Rize(2曲)、MIKE SAFFERYのソロ(2曲)、その他NIGHTWINGに縁の有るアーティストであるSTEVEN O.KRAMER、DAVE TUCCIARONESらの曲、そして未発表曲を含めた全22曲。かなりマニアックでヴァラエティに富んだ選曲。その中でも注目曲はMIKEの<The Promised Land>。CCM界の重鎮ROBY DUKEの『NOT THE SAME』に収録されれていた名曲のカバー。当時、彼がアルバムをリリースしたか否かは不明ながら、このカバーのセンスからしてアルバムが有るとしたらこれはかなりのAOR度が期待出来そうです。この曲だけでも充分一聴の価値ありですが、純然たるBESTではないのでNIGHTWING入門としてはやはり1stをお勧めしたい。98年の夏はNIGHTWINGで決まり!さあっ...輸入盤屋へ走れ!!!!

[15/Aug/98]

1.Friend Of Mine
2.Caroline
3. Sky of Blue
4. Love Me Tomorrow
5.Second Chance
6.Breakdown
7.Something I Said
8.I Live My Life For You
9.Island Holiday
10.Let's Escape
11.Falling In Love With You
12.Cobra

NIGHTWING/Un-Charted MGC-1022(1998)
Un-Charted

ようやく到着しました!NIGHTWINGの『Un-Charted』。ハワイのCDショップから送られてきたBOXを開けてびっくり!!!なんとNIGHTWINGの新譜でした。まさか新譜がリリースされるなんてほんと驚きです。早速CDをセットして試聴したところ、懐かしいTIMMY PAJIMOLAのヴォーカルが聞こえてきました。前作、NIGHTWINGUのメンバーと全く同じ6人のユニット。アデッショナル・メンバーには、かのTODD ADMSKIのクレジットがあり、プロデュースも請け負っております。先日、知り合いがHAWAIIでこのNIGHTWINGのステージを観てきたそうで、メンバーに大歓迎されたそうです。なんでも『日本に呼んでくれ!』とリーダーのTIMMYをはじめメンバーが口を揃えたとか...毎週末にライブを行っているとの事ですので、HAWAII旅行の計画がある方は是非スケジュールに組み込んでみてください。さて今回の新譜の内容ですが、彼らの定期的なライブで好評のカバー曲とオリジナル曲の全12曲で構成されています。AORファンにはC<Love Me Tomorrow>がお勧め。そうDAVID PAICHのペンによる名曲で、レゲエ調にアレンジされたミディアム・チューンはアイランド・テイスト一杯です。GARY MOOREのJ<Falling In Love With You>やTOM PETTYのE<Breakdown>あたりのカバーもNIGHTWINGのカラーになっています。90年代風にリメイクされたヒット曲H<Island Holiday>は、オリジナルよりゆったりとしたアコースティック・ヴァージョン。やっぱこの曲に代表されるメロディーがNIGHTWINGです。最初聴いたときはあまりピントこなかったけれど、何度も聞き返す度に良くなる系のアルバムと言えそう。あーライブ見てぇ〜!因みにジャケ中央がTIMMY PAJIMOLA、その右がTRAVIS PAJIMOLA(Jr.です。)


[13/Sep/98]

NIGHTWING関連コンピレーション盤発見!HAWAI'I 98と題されたコンピ盤に<Lover Tonight>が収録され、また4人目のメンバーとなったTODD ADAMSKIのソロ最新盤から<Salvation>を収録。HAWAIIのFM局の企画、制作と思われ、その局のJINGLE4パターンを含め20曲からなる構成。その他、At The Second Glanceのメンバー、LANCE JYOの<Every Single Beat Of My Heart>など、今のHAWAIIの音楽シーンを凝縮したような選曲。要チェック!



FM995/スーパーQステーションは、1996年に設立されたハワイで初の日本人旅行者向けのFMラジオステーションです。日本人旅行者のためにプログラムされた世界でもめずらしい放送スタイルを確立し、日本と世界の音楽をベースにレジャーやショッピング情報、そして世界のニュースなどをタイムリーにお届けしています。またFM99.5ではハワイを愛する日本人のために「カマアイナクラブ」を組織。「カマアイナ」とはハワイ語でハワイに暮らす人々を意味し、ハワイを旅行する日本の方々に島の人だけが分かち合える温かな交流や「アロハカード」によるディスカウントなどの恩恵を提供しています


[25/Aug/98]



1.Island Holiday (Timmy Pajimola)
2.All I Just Wanted Was You (Timmy Pajimola)
3.Angel In Flight (Timmy Pajimola)
4.In The City (Timmy Pajimola)
5.Lazy Days (T.Pajimola - T.Adamski - Dave Kelly)
6.Gina (Timmy Pajimola - Todd Adamski)
7.Fly Away (Timmy Pajimola - Todd Adamski)
8.Heart In The Isles (T.Pajimola - Todd Adamski)
9.Is It Love (Timmy Pajimola)
10.Say You Love Me (Timmy Pajimola)
11.Carousel Of Love (Timmy Pajimola)
12.Part Of Me (Timmy Pajimola)
13.Angel In Flight (*) (T.Pajimola)
14.Thoughts Of You (*) (T.Pajimola)

(*) = bonus track



Timmy Pajimola Lead Vocals on 1.3.〜5.8.〜14、Guitars、Bass...
Mike Saffery Lead Vocals on 2.6.、Bass on 1.2.3.4.
Van Peterson Lead Vocals on 7.
Todd Adamski Guitar on 2.5.6.7.8、Bass on 5.6.8.
Dave Tucciarone Keyboards on 1.〜9.11、Guitar on 8.9
Anela Kahiamoe Guitar on 10.11.12
Donovan Egloria Bass on 9.10


Island Contemporary Popンドの中にアイランドならではのフレイヴァーを盛り込むナイトウィング、
遂に日本上陸!

◆リーダーのティミー・パジモラが放つメロディ、そして買Hーカルは時としてあのマッキー・フェアリーを
 思わせる哀愁味を漂わせ、シティ・ソウルの香りもふんだんに感じさせます。
◆1987年のデビュー早々にブレイクし、ハワイ版グラミーこと、Na Hoku Hanohano Awardsで"Most Promising
 Artists"と"Group Of The Year"にノミネートされたナイトウィング。加えて、1stアルバムに収められた
 ナンバー<Island Holiday>で作者のティミー・パジモラが"Composer Of The Year"にもノミネートされる
 など、ハワイの音楽シーンでは絶対的な評価を得ている存在です。
◆そんな強力グループ:ナイトウィングの、日本に於ける初めてのアルバムが今回の「Island Holiday」。
◆内容はアルバム「Nightwing」(1987)と「Nightwing II」(1995)からのコンピレーションで、選曲はグループの
 中心人物ティミー・パジモラが、[COOL HAWAII]レーベルの立役者ランス・ジョーと共に担当。
 クール・サウンドのリスナーが喜ぶであろう、メロディアスで洗練された極上のポップ・チューン12曲を
 チョイスしてくれました。
◆さらに、日本のファンのためにレコーディングした新録2曲をボーナス・トラックとして追加収録。
 1曲は1stアルバムに収められていたバラード<Angel In Flight>のアンプラグド・ヴァージョンで、
 もう1曲の新曲<Thoughts Of You>、こちらもティミーのギターとヴォーカルをフィーチャーした
 アンプラグド・スタイルになっています。