CONTEMPORARY HAWAIIAN MUSIC FILE
NOHELANI CYPRIANO/Back In Love
1.Suelemont
2.For All My Life
3.Back In Love
4.Don't Say You Don't Love Me
5.Freedom
6.Cool The Fire
7.Hello
8.Learn To Let You Go
9.Learn To Let You Go
10.Unconditional
11.Surrender

PRODUCED BY CRAIG BURBIDGE
& DEREK NAKAMOTO
Kokonutt 11004CD
CD SHOPで手にした1枚のCD、これ誰?どうも気になる…が手がかりなし。そう一番危険な買い方、ジャケ買いのアルバムであります。店頭で何げなく手にした1枚、どうもこの手のルックスが好きなもので…過去、何度同じ失敗をした事か…と思いつつ、そのエキゾティックな顔立、オリエンタルな雰囲気につい引かれて買ってしまった91年のリリースの『Back In Love』を紹介しましょう。(リリースが91年なのですが、なかなか見つからないようです。)彼女の経歴は不明、ライナーにも手がかりとなる記載がありません。NOHEて変な名前?NOHELANI CYPRIANOにどこか似ているけど雰囲気が違う。ジャケットの写真は、若づくりだし???。どうも気になるのでいろいろと調べて見たところ、案の定 NOHELANI CYPRIANOのアルバムでした。結構年食ってるはずなのに…前髪おろして、化粧すると結構いけます。昼間なのにしっかり騙されてしまうところでした。いやいや女性は恐ろしい!!!さて本題に戻って…これは彼女の9枚目のアルバムとなるもの。(多分?)プロデュースはK.K.KAMINAKA(若手HAWAII,NO1男性AORヴォーカリスト)等の仕事で知られるあのDEREK NAKAMOTO。そしてGRAIG BURBIDGEの2人が5曲づつ担当しています。録音はL.A.とHAWAIIで行われているようです。HAWAIIものと言えばかならずといっていいほどトラディショナルな部分があったり、HAWAII語で唄われるパートがあるのが常であります。(実際彼女の過去のアルバムでもトラディショナルな歌が唄われておりました。)しかしこのアルバムにはHAWAIIを感じさせるところがなく、所謂土臭い部分を感じさせない洗練された良質のダンス・ポップアルバムとなっています。(ディープなHawaii Musicファンには、軽すぎますが…)本土を意識した音作り、名うてのスタジオ・ミュージシャンの起用と言った部分からもそれが伺えます。Hawaiiの歌姫から脱皮を試みたいわばターニング・ポイントとするべく、そんな制作意図が伝わってきます。キュートなルックスとシルキーなヴォーカル、それが彼女の最大の魅力といえるでしょう。さて内容を簡単に紹介しましょう。オープニングはこれまでの彼女には見られなかったブラックテイスト溢れるダンサブルな<Suelemont>。どこか聞き覚えのあるような曲調?気になってスコアーを確かめたら最近SEIKOのアルバムで話題だったROBIE NEVIL, DUNCAN PAINE, LATHAN ARMONRらの曲でありました。こんなところで名前を見るのは、ちょいと驚きでしす。SynthesizersにはCHUCKII BOOKERの名前も見え、のっけからかましてくれる美形のNOHE。そしてこのアルバムの聴きどころは、後半の多分L.A.録音だと思われる3曲。GERALD ALBRIGHTのSAXを前面にフューチャした<Cool The Fire><Hello><Learn To Let You Go>はNOHEの情熱的なヴォーカルに絡んで、官能的な音色を奏でてくれます。中でも<Cool The Fire>ではPAUL JACKSON,JR.が起用され、その手のフュージョン・ファンに大推薦の1曲です。彼女の最高傑作In The Evening(83)とあわせてチェック頂きたい逸品です。
[01/Jul/98]
DISCOGRAPHY
1978 Nohelani Cypriano[Trim 1000](EP) <O'Kaiua><Night Time><Across The Sea>< Don't Mind>の4曲を収録したEP盤としてリリース。
後、CD化された『Around Again』でボーナス・トラックとして4曲収録。
1980 Nohelani Cypriano &Mackey Feary[Trim 2000]('12)

<Let's Do It>
<We Both Waited Too Long>の2曲を12インチシングルで発売、パートナーにはあのKalapanaのMackey Fearyが抜擢されている。(未CD化。)
1980 Around Again[Trim 3000] (LP)
[Cord International HOCD-5000] (CD)
Noheのデビュー・アルバム。フリー・ソウル・ブームの中、90年代半ばめでたくCD化。この年ハワイのグラミー賞と呼ばれるナ・ホク・ハノハノ・アワードでベスト・フィーメイル・ヴォーカルとベスト・コンテポラリー・アルバムの2部門を受賞、一躍脚光を浴び、ハワイの歌姫と称される。(LP& CD共 国内盤もリリース済。)
1982 In The Evening [Kokonutt Records KR-1000] (LP) Golden Throat時代のメンバーだったDennis Graueと共同でKokonutt を設立、第一弾アルバムとして発表された彼女のセカンド・アルバム。Noheのコケティッシュでチャーミングなヴォーカルが魅力です。83年ナ・ホク・ハノハノ・アワードでベスト・コンテポラリー・アルバムを連続受賞。この年Dennis Graueと結婚。(国内盤・LP未発売済・未CD化)
1987 Wind Of A Child
[Kokonutt Records KR-1001](CD)
Vap-VPCM-85704
結婚、出産で暫く音沙汰がなかった彼女だが、5年ぶりに発表されたアルバムは実に愛に溢れた内容となっている。これまでのようなロックをベースにしたコンテンポラリーな部分は陰を潜め、ハワイ特有のトラディショナルな部分が前面で打ち出されたのもとなっている。国内では『トロピコリタン・シリーズ』(CD)の一枚としてリリースされる。
1991 Back In Love[Kokonutt Records 11004](CD) Derek Nakamoto,Craig Burbridgeをプロデューサーに心機一転。前作とは打って変わるダンサブルでポップなアルバムを3年ぶりに発表。円熟味を増したNoheが開く新境地。Gerald Albright、Paul Jackson,Jr.参加。(国内未発売)
1994 What's Going On [Island Jam 4945](CD) Henry Kapono、Kapono Beamerをはじめとするハワイ一流ミュージシャンをゲストに迎え制作された通算5枚めとなる作品。Marvin Gayeの<What' Going On>をソウルフルに、またJohn Lennonの<Imagine>をハワイ語でカバーしたり、なかでもDavid Fosterの<The Best Of Me>は、彼女の表現力と歌唱力を遺憾無く発揮した作品と言えるでしょう。AORファン必携のアルバム。(国内発売済)
1996 Blue Hawaiian Christmas [CYPRIANO PRODUCTIONS INC.] (CD) Noheが歌うクリスマス・アルバム。<Silent Night><White Christmas><Blue Hawaiian Christmas ><Winter Wonderland>等収録。
1998 VARIOUS"Lifesong"
Where Did Love Go/Nohelani Cypriano
コンピレーション盤『Lifesongs』に参加、<Where Did Love Go>をパフォーム。 Henry Kapono、Na Leo Pilimehana、Glenn Medeiros、Brothers Cazimero、Willie K.、The Alii's、Don Ho、Hapaなど18アーティストがクレジットされています。
[15/Sep/99]